
魅力的な町チェンライは、バンコクから北へ825キロメートルのタイ最北の県庁所在地です。13世紀後半、ランナー王国の国王マーンライ王によって建設された都市で、短い期間ながら1262年から1296年までランナー王国の首都でありました。チェンマイと比べると人は少なく、のんびりとした雰囲気で、北部の街や周辺の山岳民族の村を訪ねる観光拠点としての役割を果たしています。

北側をメーコック川により削られているチャンライは、ゴールデン・トライアングルとして知られている豊富な文化を誇る地域、タイ、ラオス、ビルマの国境を巡る壮大なメコン川流域のタイ北側国境部分からそれほど遠くない場所にあります。メコンとメーコックの峡谷では、かつてアヘンが主要な収入源でしたが、現在ではほとんどの芥子畑が他の作物に替えられました。

チャンライを訪れるほとんどの旅行者は、町中では比較的少ない時間を過ごし、代わりにエリア内小旅行にそのエネルギーを注いでいます。ゴールデン・トライアングルへのデイトリップは最近ますます人気を高めており、観光客はチャンライをジャングルや中心地から離れた山岳少数民族の集落への小旅行におけるベースとして利用しています。
またこの地方には、ここ50年の間に共産主義の抑圧から逃れてタイ国にやってきた、中国人移民のコミュニティがあります。これらのグループは地元の市場に投資し、観光産業の発展に貢献していますが、かれら独自の文化的アイデンティティを保ち続けています。文化が魅力的に調和されているドイ・メーサロンのような村は、大変ユニークな佇まいを見せています。
訪問者がチャンライにおいて軽い焦燥感のようなものを覚えるのは、実にこの種類の文化的注入にあります。カオ・ソイ・カレーが煮えたぎる鍋には古代ビルマの面影がいまだ認められる一方で、中国人所有の農場では烏龍茶が列を作って成長しています。地元住民たちは、バンコクの王室と同じぐらい、ビルマ、ラオス、タイの間で揺れ動いた古代の王メンラーイと歴史的な守護者である王室を敬愛しています。

ゴールデン・トライアングルを訪れたり、奥深いジャングルを探検したり、山岳少数部族と語り合ったり、またはゆったりとした町中でくつろいだり、何をするにしてもチャンライでは地元宿泊施設によりよく面倒を見てもらえます。こちらには、数多くの親しみやすいゲストハウスと歴史的なロッジがあります。そのすぐ傍には高級ホテルが建ち並び、ますます成長しているチャンマイやバンコクからの観光客の波により繁盛しています。
北部タイ人の祖先は、約五千年前にビルマとラオスを通って中国から移住してきました。この地域で最初に組織された都市国家は、メコン川に沿い今日のチェンセーンにおいて建設されました。これらの遊牧民は、中国、ビルマ、ラオスからそれぞれの伝統と信念を持ち込み、最終的にそれらを調和させました。それは現在、チャンライにおいて繁栄する文化の中に見て取れます。

昔、チャンライはランナー王国に属していました。この王国は、南タイ王国と政治的に良好な関係を築いていた、繁栄した自治国家でした。「ランナー」は「百万の水田の土地」を意味し、この豊かな農業地域に似つかわしいものでした。
ランナー王国の創始者はメンラーイ王で、13世紀に王国の基礎を固めた強力な支配者でした。伝説では、彼が道を外れた象の跡を追って行った時、最終的に首都としてチャンライを建設した場所に辿り着いたと言われています。

チャンライが首都とされていたのは短い間でしたが(メンラーイ王はその後チャンマイを建設し、すぐに王国の首都としました)、チャンライは王のお気に入りの都市であり続けました。現在もチャンライの中心部には、彼の記念碑がそびえ立っています。

メンラーイはスコータイのラームカムヘーン王とパヤオのガムルアン王との間に血の協定を結び、この3人の支配者たちはその生涯を通して平和な関係にありました。今日、3人の王たちの記念碑は彼らの間の協力関係への賛辞として、チャンマイに建てられています。
ランナー王国はビルマとラオスの再三の攻撃に苦しんでいました。芸術、建築様式、それにチャンライの全体的な文化は、これら侵略王国から影響を受けています。1700年代、シアム王国が南から侵略してきて、ビルマからランナーを取り戻しました。さらなる進歩はシアムによりもたらされ、チェンセーンへの長く続けた包囲攻撃が失敗に終わった後、シアムのラーマ1世はこれの破壊を指示しました。
チャンライの王室とランナー王国は、ビルマ、シアム、ラオスにより四散させられました。1939年にバンコク知事がチャンマイを制するために派遣された時初めて、ランナー王国は公式にシアム王国の保護下にはいりました。

今日、チャンライは歴史と文化に恵まれた地域の中心に位置する、どこかしら活気のない州都です。ミャンマー(ビルマ)、ラオス、そしてタイがゴールデン・トライアングルの近くに集中していて、中国は視野のすぐ外に横たわっています。こちらを訪れる旅行者は、奥深い山地のジャングルを探検したり、タイ北部独特の料理を味わったり、彼ら独自の伝統と文化を維持し続けている山岳少数民族との対話を楽しんだりできます。
チャンライの気候は、暑い時期、雨期、涼しい時期の3種類の季節により特徴づけられています。全体的に高い海抜にあるため、チャンライの温度はタイ南部の低地州より涼しいものとなっています。

暑い時期は3月から5月まで続き、最も暑い時期(4月)の日中平均気温は30度となっています。5月もしくは6月に雨期が訪れ、このため暑さがおさまります。雨期の間に旅行するのなら、増水した川の流れに恩恵を受けている間の、バッファロー・ホーン・ヒルにある滝を訪れることを忘れないでください。
雨期の間、規則的な降雨が10月まで続きます。こちらの雨期はタイ中央部、南部でのそれよりも、明らかに短いものとなっています。最も激しい降雨は8月から9月に見られ、この時期には州道に水が溢れることもあります。激しい降雨がある間には、人里離れた地域に水が氾濫している恐れもありますので、移動前に地元の観光案内所に問い合わせるのが賢明です。

さわやかに涼しい時期は10月下旬に始まり、新年に入るまで続きます。日中平均気温は21度となり、日没後にはこれよりもいっそう涼しくなります。もちろん、より海抜の高い地域ではさらに低くなります。これを頭に入れておき、山地の集落への訪問や夜間に移動する場合、暖かめの衣類を用意しておくのが賢明です。































